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ワンルームマンション投資 シミュレーション|実際の収支・利回り・出口戦略をMBAホルダー・FPが検証【2006年版】

【2026年版】ワンルームマンション投資 シミュレーション|実際の収支・利回り・出口戦略をMBAホルダー・FPが検証

ワンルームマンション投資は本当に儲かるの?

不動産投資を検討している方なら、一度は気になる疑問ではないでしょうか。

インターネットで検索すると、「不動産投資は家賃収入が得られる」「ローンを利用して資産形成できる」といったメリットが紹介される一方で、「毎月赤字になる」「空室になると危険」「売却できない」といった意見もあります。

では、実際のワンルームマンション投資では、どのような収支になるのでしょうか。

今回は、実際に提供された投資用マンションの資料を参考に、物件名を「物件A」、販売会社を「A社」として、具体的な数字を使ってシミュレーションしてみます。

今回注目したいのは、単純な「儲かる・儲からない」ではありません。

購入時の利回り

↓

毎月のキャッシュフロー

↓

ローン返済

↓

保有期間中の資産形成

↓

将来の売却

まで確認します。

不動産投資は、購入した瞬間ではなく、「入口・保有・出口」のすべてを含めて考えることが重要だからです。

※本記事は、提供された物件資料を参考にしたシミュレーションです。実際の投資成果を保証するものではありません。また、物件名・会社名などは匿名化しています。

目次

ワンルームマンション投資 収支シミュレーション【実際の物件資料を使って】

ワンルームマンション投資 収支シミュレーション【実際の物件資料を使って】

今回使用するのは、A社から提供された投資用マンションの物件資料です。

資料上では、物件価格や融資条件、月額賃料、管理費、修繕積立金など、投資判断に必要となる複数の数字が記載されています。

今回は、この物件を「物件A」として分析します。

今回のシミュレーションで使用する物件A

基本的な条件は以下のとおりです。

項目物件A
物件価格2,770万円
手付金10万円
ローン額2,760万円
返済期間35年
金利2.04%
月額賃料78,750円
管理費8,660円/月
修繕積立金3,290円/月
ローン返済額91,996円/月
月収支−25,196円

物件資料では、融資について35年・金利2.04%・ローン額2,760万円という条件が記載されています。また、サブリース賃料78,750円、ローン返済額91,996円、管理費・修繕積立金11,950円、月収支−25,196円という計算になっています。

ここでは、この資料に記載された条件をそのまま使って考えていきます。

まずは物件Aの表面利回りを計算してみる

まずは物件Aの表面利回りを計算してみる

不動産投資で最初に確認したい数字の一つが表面利回りです。

物件Aの月額賃料は78,750円です。

年間の家賃収入を計算すると、78,750円 × 12か月=94万5,000円となります。

これを物件価格2,770万円で割ります。

94万5,000円 ÷ 2,770万円 × 100=約3.41%

したがって、物件Aの表面利回りは、約3.41%となります。

ここで「3.41%なら高いのか、低いのか」と考えたくなるかもしれません。

しかし、ここで判断を止めてはいけません。

なぜなら、表面利回りは家賃収入と物件価格だけで計算した数字だからです。

実際の投資では、ローン返済、管理費、修繕積立金、税金、賃貸管理に関する費用など、さまざまな支出が発生します。

つまり、表面利回り=投資家の手元に残る利益ではありません。

管理費と修繕積立金を考えると収支はどう変わる?

管理費と修繕積立金を考えると収支はどう変わる?

物件Aでは、毎月の管理費が8,660円、修繕積立金が3,290円となっています。

合計すると、8,660円+3,290円=11,950円/月です。

年間では、11,950円 × 12か月=14万3,400円となります。

年間家賃収入94万5,000円から管理費・修繕積立金を差し引くと、94万5,000円-14万3,400円=80万1,600円です。

つまり、家賃収入94万5,000円がそのまま投資家の収入になるわけではありません。

ここからさらにローン返済を考える必要があります。

物件Aの実際の月間キャッシュフローを確認する

物件Aの実際の月間キャッシュフローを確認する

今回のシミュレーションで、最も重要な数字の一つが月間キャッシュフローです。

物件資料では、以下のように記載されています。

サブリース賃料
+78,750円

↓

ローン返済額

-91,996円

↓

管理費・修繕積立金

-11,950円

↓

月収支

-25,196円

つまり、資料上の月間キャッシュフローは、-25,196円です。

年間にすると、25,196円 × 12か月=30万2,352円となります。

したがって、単純計算では1年間で約30万円の持ち出しになります。

ここだけを見ると、「毎月2万5,196円も赤字なら、投資として失敗なのでは?」と考える方もいるでしょう。

しかし、ここで「失敗」と結論づけるのはまだ早いです。

月2万5,196円の赤字なら、この投資は失敗なのか?

ここはワンルームマンション投資を理解するうえで、非常に重要なポイントです。

なぜなら、ローンの返済額9万1,996円のすべてが「消えていくお金」ではないからです。

ローン返済には、利息と元本が含まれています。

元本部分を返済すれば、その分だけ借入残高は減少します。

そのため、毎月のキャッシュフローが-25,196円だから、投資全体でも毎月25,196円の損失が発生しているとは単純には言えません。

一方で、ローン元本が減っているから、毎月赤字でも問題ないという判断も危険です。

毎月の持ち出しは、実際にサラリーマンや公務員などの預貯金から出ていく資金だからです。 

キャッシュフローと資産形成は分けて考える

ワンルームマンション投資を見るときには、① 毎月のキャッシュフローと、② ローン元本の減少による借入残高の変化を分けて考える必要があります。

例えば、毎月2万円のキャッシュフローがマイナスでも、ローン元本がそれ以上のペースで減少しているのであれば、資産形成という別の側面があります。

しかし、それでも将来の物件価値が下落すれば、最終的な投資成果は変わります。

だからこそ、キャッシュフローだけでも、利回りだけでも判断できないのです。

FP・MBAの視点で物件Aを分析すると?

ここで、FP・MBAの視点から今回の物件Aを考えてみます。

FPとしてまず確認したいのは、「この毎月約2万5,000円の負担を、投資家が無理なく継続できるのか?」という点です。

例えば、現在は問題なく支払えていたとしても、

  • 結婚
  • 住宅購入
  • 子どもの教育資金
  • 転職
  • 独立
  • 収入減少

など、将来のライフイベントによって家計の状況は変化します。

そのため、単純に「今払えるから大丈夫」と判断するのではなく、ライフプランの中でこの投資を保有し続けられるのかを考える必要があります。

一方、MBAの視点では、単一の数字だけではなく、複数の要素を組み合わせて意思決定することが重要です。

今回であれば、「物件価格」、「利回り」、「融資条件」、「キャッシュフロー」、「資産価値」、「賃貸需要」、「出口戦略」を一つの投資判断として捉えます。

つまり、「月収支がマイナスだからダメ」でも、「ローン元本が減るからOK」でもない。ということです。

「買える物件」と「無理なく保有できる物件」は違う

金融機関から融資を受けられることと、その物件を長期間無理なく保有できることは同じではありません。

物件Aではローン額2,760万円、金利2.04%、35年返済という条件が設定されています。

しかし、サラリーマンや公務員など側から考えれば、「2,760万円借りられるか?」だけではなく、「毎月約2万5,000円の持ち出しを含めて、10年、20年と保有できるのか?」という視点が必要です。

これは、FPとして家計を見る視点と、MBAで学ぶ意思決定の考え方を組み合わせたときに、非常に重要になるポイントです。

物件Aの初期費用も確認しておく

物件Aの初期費用も確認しておく

不動産投資では、物件価格だけを用意すれば購入できるわけではありません。

実際に提供された資料には、

  • 手付金:10万円
  • ローン額:2,760万円
  • 諸費用:110万円
  • 不動産取得税:13万円
  • 固定資産・都市計画税:7万円
  • 初期費用合計:120万円

と記載されています。

ここで注目したいのが、資料に「初期費用合計120万円」と記載されていることです。

個別項目の単純合計と一致しない部分もあるため、実際に契約する際には、「初期費用合計には何が含まれているのか」を確認する必要があります。

資料の数字をそのまま受け取らず、一つずつ確認する

これは今回の実践編で読者にぜひ伝えたいポイントです。

営業資料やシミュレーション資料には、投資判断に必要な数字が整理されています。

しかし、数字が書いてある=その数字を確認しなくていいわけではありません。

例えば、

  • その家賃は何を根拠としているのか
  • ローン金利はどの条件なのか
  • 初期費用には何が含まれているのか
  • 管理費や修繕積立金は今後どうなるのか
  • サブリース賃料の契約条件はどうなっているのか

などを確認することが重要です。

これは「A社の資料が間違っている」という話ではありません。

投資家自身が契約条件を理解して判断するために必要な確認作業です。

ここまでのまとめ|「月収支-25,196円」から何が分かるのか?

今回の物件Aでは、資料上の月収支は-25,196円です。

しかし、この数字だけを見て、「この投資は失敗」と判断することも、「ローン元本が減るから問題ない」と判断することも適切ではありません。

ここまでの分析で重要なのは、「利回りだけでは分からない」や「キャッシュフローだけでも分からない」、そして「ローン返済だけでも分からない」ということです。

では、最終的に何を見る必要があるのでしょうか。

その答えが、「出口戦略」です。

不動産投資は、買った瞬間に終わる投資ではありません。

・購入した物件を何年間保有するのか。

・その間にローン残高はいくらになるのか。

・そして、将来いくらで売却できるのか。

ここまで見て初めて、投資全体を評価できます。

物件Aを10年間保有したら収支はどうなる?

ここまで確認した物件Aの月間キャッシュフローは、資料上で▲25,196円です。

これを単純に1年間で考えると、-25,196円 × 12か月=-30万2,352円となります。

では、10年間保有するとどうなるでしょうか。

10年間のキャッシュフローは約302万円のマイナス

同じ月間収支が10年間続くと仮定すると、-30万2,352円 × 10年間=-302万3,520円となります。

つまり、単純計算では10年間で約302万円を投資家自身が負担することになります。

ただし、ここで忘れてはいけないのがローン元本の返済です。

毎月のローン返済額91,996円には、利息だけではなく元本返済も含まれています。

そのため、「10年間で約302万円のキャッシュフロー負担がある」という数字だけで、投資全体の損益を判断することはできません。

10年間でローン残高はどこまで減る?

物件Aのローン条件は、

借入額:2,760万円
金利
:2.04%
返済期間
:35年
月額返済
:約91,996円

です。

この条件で返済を続けた場合、10年後のローン残高は概算で約2,160万円となります。

つまり、購入時の借入額2,760万円から、「2,760万円-約2,160万円=約600万円」程度、ローン元本が減少する計算になります。

10年間でローン残高はどこまで減る?

物件Aのローン条件は、

借入額:2,760万円
金利:2.04%
返済期間:35年
月額返済:約91,996円

です。

この条件で返済を続けた場合、10年後のローン残高は概算で約2,160万円となります。

つまり、購入時の借入額2,760万円から、「2,760万円-約2,160万円=約600万円」程度、ローン元本が減少する計算になります。

キャッシュフロー マイナスとローン元本の減少を分けて考える

ここで、非常に重要な関係が見えてきます。

10年間のキャッシュフローは、「約-302万円」一方で、ローン元本は、「約600万円減少」します。

だからといって、「600万円減ったから、約300万円儲かった」という単純な話ではありません。

ローン元本の減少は、物件に対する借入金が減ったということです。

一方、物件そのものの価値が10年後にいくらになっているかは別問題です。

つまり、「ローン残高」と「物件の売却価格」をセットで考える必要があります。

10年後に物件Aを売却したらどうなる?

ここからが、今回の記事で最も重要な出口戦略です。

物件Aの購入価格は2,770万円です。

しかし、10年後に2,770万円で売却できるとは限りません。

不動産価格は、築年数、賃貸需要、周辺相場、金利、市場環境などによって変化するからです。

そこで今回は、資料には記載されていない売却価格を、シミュレーション上の仮定として設定します。

10年後の売却価格を4パターンで考える

ケース10年後の売却価格
ケースA2,000万円
ケースB2,300万円
ケースC2,500万円
ケースD2,770万円

ここで重要なのは、「いくらで売れるか」だけではありません。

「売却価格-ローン残高-売却費用」まで考える必要があります。

2,000万円で売却した場合

まず、10年後に物件Aを2,000万円で売却したケースです。

10年後のローン残高を約2,160万円とすると、「売却価格2,000万円-ローン残高約2,160万円」となります。

この場合、売却価格だけではローンを完済できません。

つまり、「売却価格がローン残高を下回る」状態になります。

さらに、実際には売却時の仲介手数料などの費用も発生する可能性があります。

このケースでは、出口で追加資金が必要になる可能性があるため、かなり慎重に考える必要があります。

2,300万円で売却した場合

次に、10年後に2,300万円で売却できたケースです。

単純計算では、「2,300万円-約2,160万円=約140万円」です。

一見すると、約140万円が残るように見えます。

しかし、ここから売却時の諸費用などを考える必要があります。

さらに、10年間のキャッシュフローは約302万円のマイナスです。

したがって、「2,300万円で売れたから利益が出た」とは判断できません。

ここが不動産投資の難しいところです。

2,500万円で売却した場合

では、10年後に2,500万円で売却できた場合はどうでしょうか。

単純計算では、「2,500万円-約2,160万円=約340万円」となります。

ただし、これも実際の投資成果ではありません。

10年間のキャッシュフロー、購入時諸費用、売却時諸費用、税金などを考慮する必要があるからです。

仮に10年間のキャッシュフローだけを差し引くと、「約340万円-約302万円=約38万円」となります。

ただし、これはあくまで簡易的な比較です。

購入時諸費用や税金、実際の売却費用などを含めれば結果は変わります。

だからこそ、「2,500万円で売却できれば約38万円儲かる」と記事では断定しません。

購入価格と同じ2,770万円で売却できたら?

では、最も分かりやすいケースです。

10年後に購入価格と同じ、2,770万円で売却できたとします。

「買った価格と同じだから、損はしない」と考えるかもしれません。

しかし、これも正確ではありません。

売却時には費用が発生する可能性があります。

さらに、購入時にも諸費用がかかっています。

そして、10年間のキャッシュフローも約302万円のマイナスです。

つまり、購入価格と同じ価格で売却できても、投資全体でプラスになるとは限らないということです。

ここは、初心者の方にぜひ理解していただきたいポイントです。

ワンルームマンション投資 出口戦略では「いくらで売れるか」だけでは不十分

不動産投資の出口戦略では、単純に「10年後の売却価格」を予想するだけでは足りません。

売却価格

まず、いくらで売却できる可能性があるのか。

ローン残高

売却時点でローンがいくら残っているのか。

売却費用

仲介手数料など、売却時にどの程度の費用がかかるのか。

売却期間

希望する価格で、実際に売却できるまでどの程度の期間が必要なのか。

売却後の手残り

最終的に、ローンや諸費用などを差し引いて、いくら手元に残るのか。

この5つを考える必要があります。

なぜ国内のワンルームマンションでは出口戦略が重要なのか?

ワンルームマンション投資を考えるとき、購入時の利回りに目が行きがちです。

しかし、国内の不動産投資では、「誰が将来その物件を買ってくれるのか」という視点も重要です。

特に築年数が進めば、購入時とは違う条件で売却を考える必要があります。

築年数が進むと物件の評価は変わる

購入時には比較的新しい物件でも、10年、20年と保有すれば築年数は進みます。

そのとき、

  • 建物の状態
  • 設備
  • 修繕状況
  • 周辺物件との競争
  • 賃料水準

などが売却時の判断材料になります。したがって、購入時の条件が、そのまま10年後にも通用するとは限りません。

築古・地方の高利回り物件なら本当に有利なのか?

ここで、今回の物件Aとは別のケースを考えてみましょう。

例えば、「物件A:表面利回り3.4%」に対して、「物件B:表面利回り8%」という物件があったとします。

数字だけを比較すれば、物件Bの方が魅力的に見えます。

しかし、物件Bが築古・地方物件だった場合には、「なぜ8%なのか?」を考える必要があります。

高利回りになる理由を考える

利回りが高い背景には、

  • 購入価格が低い
  • 家賃に対して価格が安い
  • 築年数が古い
  • 賃貸需要に不安がある
  • 修繕リスクが高い
  • 売却価格が低くなる可能性がある

など、さまざまな理由が考えられます。

もちろん、築古・地方=悪い物件ということではありません。

地方でも駅周辺や大学・病院などに近く、安定した賃貸需要がある物件はあります。

重要なのは、「高利回りだから買う」のではなく、「なぜ高利回りなのか」を分析することです。

高利回り物件では「出口」を先に考える

築古・地方の物件を検討する場合、購入時の利回りだけではなく、売却時の需要まで考えておく必要があります。

将来、誰が購入するのか?

例えば、投資家向けの物件であれば、「次に購入する投資家は、その利回りで魅力を感じるのか?」という視点が必要です。

また、居住用として売却するのであれば、「実際に住みたいと考える人がいるのか?」という視点も必要になります。

物件の価格や周辺の取引状況を確認する際には、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」も参考になります。取引価格や地価公示などを確認し、現在の物件価格を周辺相場と比較してみることも重要です。

国土交通省「不動産情報ライブラリ」

高利回りでも売却できなければ出口で苦しくなる

極端な話、「利回り8%だから買いたい」という人がいても、「売りたいときに買いたい人がいない」のであれば、出口戦略は難しくなります。

だからこそ、利回りは「入口」の数字。出口では「需要」を見る。という考え方が重要になります。

物件Aのサブリース賃料はどう考える?

今回の物件Aの資料には、サブリース賃料78,750円という条件が記載されています。

サブリースが設定されていることで、通常の賃貸管理とは異なる収益構造になります。

しかし、「サブリースがある=空室リスクや収支リスクがなくなる」わけではありません。

サブリースについては、契約内容を確認したうえで、投資全体の収支を考えることが重要です。

サブリース=リスクがなくなるわけではない

サブリースがあるからといって、「家賃収入が永遠に保証される」と考えるのは適切ではありません。

実際の契約では、賃料改定などの条件が設定されている場合があります。

したがって、

  • 契約期間
  • 賃料
  • 賃料改定の条件
  • 解約条件
  • オーナー側の負担
  • 契約更新

などを確認する必要があります。

サブリース契約を利用する場合は、賃料だけでなく、契約期間や賃料改定、解約条件なども確認することが重要です。国土交通省も、サブリース事業に関する注意点を公表しています。

国土交通省「サブリース事業に関する情報」

サブリース賃料と投資収益は同じではない

今回の資料では、サブリース賃料78,750円に対して、ローン返済91,996円、管理費・修繕積立金11,950円となっており、資料上の月収支は-25,196円です。

つまり、「サブリースがあるから黒字になる」わけではありません。

サブリースは収益を考える一つの条件であって、投資全体の良し悪しを決めるものではないのです。

節税できたお金を10年間貯めると、資産形成はどう変わる?

ワンルームマンション投資では、一定の条件のもとで所得税や住民税の負担が軽減されるケースがあります。

ただし、節税できた金額を「そのまま投資利益」と考えるのは注意が必要です。

重要なのは、節税によって生まれた資金をその後どう活用するかです。

例えば、節税分を使わずに10年間貯めたり、必要に応じて繰上返済などに充てたりすることで、将来のローン残高や資産形成に影響を与える可能性があります。

そこでここでは、「節税できたお金を貯める」という視点から、ワンルームマンション投資の資産形成を考えてみます。

節税効果はそのまま「利益」ではない

節税によって税負担が軽減されたとしても、それ自体が不動産投資の利益になるわけではありません。

重要なのは、節税によって生まれた資金をどう使うかです。

節税分を10年間貯めると元本返済を後押しできる

例えば、仮に年間10万円の節税効果が得られたとします。

これを10年間そのまま貯めれば、10万円 × 10年 =100万円です。

さらに、その資金を一定期間ごとに繰上返済へ充てることができれば、ローン元本の減少を早め、将来のローン残高を抑えられる可能性があります。

つまり、

節税
↓
手元資金の確保
↓
資金を貯める
↓
繰上返済
↓
ローン元本の減少を加速
↓
出口戦略の選択肢を広げる

という流れです。

ただし「節税=繰上返済」とは限らない

ここは重要です。

繰上返済には、金融機関ごとに条件や手数料などがある場合があります。また、手元資金をすべて繰上返済に回すと、空室や修繕などの突発的な支出に対応できなくなる可能性もあります。

そのため、節税分をすべて繰上返済するのではなく、手元資金を確保したうえで、どの程度を返済に回すかを考えるという設計が必要です。

💡FP・MBAの視点

ここが今回の記事でかなり重要なところです。

「節税できた」だけでは資産形成は進みません。

節税によって生まれた資金を、「使うのか」、「貯めるのか」、「運用するのか」、そして「繰上返済するのか」によって、10年後の資産状況は変わります。

不動産投資を単体で見るのではなく、「不動産投資+節税資金の再活用」まで含めて家計全体を設計することで、より現実的な資産形成シミュレーションになります。

物件Aのシミュレーションから見えてきたこと

ここまで、物件Aについて物件価格、融資条件、家賃、管理費・修繕積立金、毎月のキャッシュフロー、ローン残高、将来の売却価格などを確認してきました。

その結果、物件Aは表面利回りだけを見ると約3.41%ですが、実際の月間キャッシュフローは▲25,196円となっています。

一方で、ローン返済には元本部分が含まれているため、毎月の持ち出しだけで投資全体の成果を判断することもできません。さらに、10年後の売却価格やローン残高によって、最終的な資産形成の結果も変わってきます。

つまり、ワンルームマンション投資では、「利回りが何%なのか」、「毎月いくら残るのか」という一つの数字だけでは、投資の全体像を判断できないということです。

ここでは、今回のシミュレーションを通して見えてきたポイントを整理し、物件を購入する前に、どの数字をどのような視点で確認すべきなのかを考えていきます。

表面利回りは約3.41%

年間家賃94万5,000円を物件価格2,770万円で割ると、表面利回りは約3.41%です。

資料上の月間キャッシュフローは▲25,196円

ローン返済、管理費、修繕積立金などを考慮すると、資料上は月▲25,196円となっています。

10年間では約302万円のキャッシュフロー負担

同じ条件が続くと仮定すると、10年間で約302万円の持ち出しになります。

一方でローン残高は減少する

10年間の返済によってローン元本も減少するため、キャッシュフローだけで投資成果を判断することはできません。

最終的には売却価格が大きく影響する

10年後にいくらで売却できるかによって、最終的な投資成果は大きく変わります。

ワンルームマンション投資は「入口・保有・出口」で判断する

ワンルームマンション投資は、購入時の価格や利回りだけで判断するのではなく、購入・保有・売却までを一つの投資として考えることが重要です。今回の物件Aでも、月間キャッシュフローだけでなく、ローン残高や将来の売却価格によって結果が変わります。ここでは「入口・保有・出口」の3つの視点から、投資全体を考えていきます。

入口|いくらで買うのか?

物件価格、利回り、融資条件、購入時諸費用を確認します。

保有|無理なく持ち続けられるのか?

毎月のキャッシュフロー、金利、空室、修繕、家賃などを確認します。

出口|いくらで売れるのか?

将来の売却価格、ローン残高、売却費用、売却需要を確認します。

この3つを合わせて、「この物件は自分の資産形成に適しているのか?」を判断します。

FP・MBAとして考えるワンルームマンション投資

今回のシミュレーションで私が特に重要だと考えるのは、一つの数字だけで投資判断をしないことです。

FPの視点では、「この投資をしても、将来の生活資金に無理が生じないか?」を考えます。

一方、MBAの視点では、「複数の条件を整理し、リスクとリターンを比較したうえで意思決定できているか?」を考えます。

つまり、「利回りだけでも」、「月間キャッシュフローだけでも」、「年収だけでも」ありません。

物件・融資・家計・保有期間・出口戦略を一つの意思決定として考える必要があります。

そして、私が不動産投資を分析するときに重視したいのは、「買える物件なのか」ではなく、「最後まで保有・売却できる物件なのか」という視点です。

まとめ|不動産投資は「利回り」で買うのではなく「出口まで」考える

今回、実際の物件資料を匿名化し、物件Aとしてシミュレーションしました。

物件Aは、

物件価格2,770万円

ローン2,760万円

金利2.04%・35年

月額賃料78,750円

という条件です。

そして、資料上の月間キャッシュフローは、「▲25,196円」となっています。

この数字だけを見ると、投資に不安を感じるかもしれません。

しかし、ローン元本の減少もあるため、キャッシュフローだけで投資全体を判断することもできません。

さらに、10年後の売却価格によって結果は大きく変わります。

だからこそ、不動産投資では、「入口→ 保有→ 出口」の3つを一つの流れとして考える必要があります。

特に築古・地方などで高い利回りが提示されている物件では、「なぜ高利回りなのか?」だけでなく、「将来、誰がその物件を買うのか?」まで考えてみましょう。

投資用マンションについては、将来の利益を不確実なまま断定するような説明に注意する必要があります。国土交通省も、投資用マンションの勧誘について注意を呼びかけています。

国土交通省「投資用マンションについての悪質な勧誘電話等にご注意ください」

ワンルームマンション投資のシミュレーションで迷ったら

実際に物件を紹介されると、「この利回りなら良い物件なのでは?」、「毎月の赤字は問題ないの?」、「ローンを返済していけば資産になるの?」、そして「10年後に売却できるの?」と、さまざまな疑問が出てくると思います。

不動産投資は、大きな金額を長期間にわたって運用することになります。

だからこそ、購入を決める前に、一度数字を整理してみることが重要です。

MBA・FPオフィスALIVEでは、物件そのものを「買う・買わない」と決めつけるのではなく、「利回り」、「キャッシュフロー」、「融資条件」、「家計への影響」、「ローン残高」、「出口戦略」などを整理し、あなた自身の資産形成に合っているのかを考えるサポートを行います。

営業担当者から物件を提案された方へ

「営業担当者からシミュレーションをもらったけれど、数字の見方が分からない」という方は、資料を一つずつ確認してみましょう。

毎月赤字になる物件を検討している方へ

毎月のキャッシュフローがマイナスだからといって、必ずしも投資として成立しないとは限りません。

一方で、赤字を軽視することもできません。

キャッシュフロー・ローン元本・物件価値・出口を合わせて考えることが重要です。

第三者の視点から物件を確認したい方へ

物件を販売する立場とは異なる視点から、投資判断を一度整理してみる方法もあります。

「買えるか」ではなく、「自分に合っているか」。

この視点から、不動産投資を考えてみてはいかがでしょうか。

ワンルームマンション投資の判断に迷っていませんか?

物件資料の利回りやキャッシュフローだけで判断せず、「入口・保有・出口」まで含めて、一度整理してみませんか?

MBA・FPオフィスALIVEでは、ワンルームマンション投資をはじめとする資産形成について、FP・MBAの視点からご相談をお受けしています。

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