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自社株対策に不動産活用は有効?相続税・事業承継のリスクを軽減する方法を解説

MBA・FPオフィスALIVE代表の國弘泰治です。
中小企業経営者の相続や事業承継において、見逃せないのが自社株対策です。

とくに、自社株の評価額が高騰している企業では、相続税や贈与税の負担が大きくなることで、事業のスムーズな承継を阻む可能性もあります。

中小企業の自社株対策で有効なものとして以下のものがございます。

  • 資産圧縮による株価評価の抑制
  • 借入による純資産の引き下げ
  • 生命保険の活用による資金対策
  • ホールディングス化(持株会社設立)を通じた株式の分散
  • そして、不動産を活用した自社株評価対策などが、有効な選択肢となります。

今回はその中でも、不動産の導入が自社株評価にどのような影響を与えるのかについて詳しく解説していきます。特に、不動産小口化商品区分所有オフィス投資といった選択肢を用いた戦略も紹介いたします。

自社株の評価が高くて困っていませんか? 不動産を活用した効果的な対策とは

まず初めにお聞きします。

現在、自社株の評価が高すぎてお悩みではありませんか?

中小企業の経営者にとって、自社株式の評価額が高騰している場合、相続や事業承継の場面で深刻な税負担が発生する可能性があります。

特に、相続税や贈与税の納税額が想定以上に膨らむと、後継者への引き継ぎに大きな壁となってしまうことも珍しくありません。

このような問題に対応する方法のひとつが、不動産を活用して自社株の評価を適正に引き下げるスキームです。

本記事では、不動産戦略が自社株評価に与える影響や、実際の導入パターンについて、具体例を交えてわかりやすくご紹介していきます。

自社株対策が必要な理由とは?

自社株対策は事業承継において、後継者の議決権のシェアを守りながら相続人全体の相続税を抑えるために自社株の評価額を引き下げる方法を言います。

このように自社株対策は議決権のシェア対策と株価対策があり、なぜ議決権のシェア対策と株価対策が必要なのかというと自社株の価値の維持と経営権を安定するために必要であるからです。

相続税・贈与税のリスクとその背景

非上場企業の株式には市場での取引価格が存在しないため、税務上は「類似業種比準方式」や「純資産価額方式」といった特定の評価手法が用いられます。

中でも、保有する純資産が多い企業では、株価が高く算出されやすく、その結果として相続税や贈与税の課税額が大きくなる傾向にあります。

納税資金の手当てが難航した場合、事業の円滑な承継や企業経営の継続自体に悪影響を及ぼす可能性があるため、事前の株価対策や資産構成の見直しが極めて重要です。

不動産を活用するメリットとは

自社株の評価対策として不動産を活用する大きなメリットは、純資産価額を抑えることで株式の相続税評価額を相対的に引き下げられる点にあります。

結果として、相続税そのものの負担を軽減できるため、経営者や後継者にとっては非常に有効な選択肢といえるでしょう。

とはいえ、ここまで読んで「そもそもなぜ自社株の評価額が問題視されるのか?」という疑問を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。

次の章では、自社株評価が高くなることによるリスクや事業承継への影響について、もう少し踏み込んで解説していきます。

なぜ自社株の評価額が問題になるのか?

自社株の評価額が高いことは、企業の成長や経営基盤の安定性を示すポジティブな側面もあります。

しかし、相続や贈与においては、この高評価が思わぬ税負担を生み出し、大きなリスクに転じることがあります。特に中小企業のオーナー経営者にとっては、過大な株式評価によって多額の相続税や贈与税が発生し、円滑な事業承継を妨げる要因となることが少なくありません。

それでは、なぜ自社株の評価額がここまで問題視されるのでしょうか?
この点について、相続税における自社株評価の基本を理解することが重要です。

次に、相続税における自社株評価の基本について詳しく解説していきます。

相続税における自社株評価の基本

相続税における自社株の評価は、通常「類似業種比準方式」または「純資産価額方式」によって算定されます。

これらの評価方法は、企業の収益力や保有資産の内容に基づいて行われるため、業績が良く資産の多い企業ほど株式評価額が高くなる傾向があります。

その結果、高額な評価額により相続税の負担が増加し、スムーズな事業承継の障壁になることも少なくありません。

こうしたリスクを回避するためには、早い段階での適切な自社株対策が不可欠です。

類似業種比準方式と純資産価額方式の違い

自社株評価においては、「類似業種比準方式」と「純資産価額方式」という2つの主要な手法があります。
類似業種比準方式は、上場企業の株価データをベースにしています。

特に会社の収益力着目して評価する方法です。
一方、純資産価額方式は、企業が保有する資産と負債の実態を基に算定するため、特に資産規模の大きい中小企業では評価額が高くなりやすいという特徴があります。

どちらの方式を採用するかは企業の実態によって異なり、相続や贈与の場面では、税負担を軽減できる有利な方式を選ぶことがポイントです。

高評価が招く事業承継リスク

自社株が過大評価されている場合、相続税や贈与税が大幅に膨れ上がり事業承継時に多額の財務負担が発生します。
特に、企業の資産や利益が多い場合株式評価額が高くなり、後継者が株を引き継ぐ際に納税資金の調達が難しくなるリスクが伴います。

このような状況では、経営権の移譲が遅れ、事業の継続や資産の分割にも影響が出る可能性が高くなるため、早期の自社株対策が不可欠です。

不動産活用自社株評価に与える影響

企業が不動産を購入することで、減価償却費借入金が計上され、純資産価額を圧縮することができます。

これにより、自社株の相続税評価額を引き下げる効果が得られ、特に純資産価額方式で評価される場合に有効です。

この方法は、相続税や贈与税の負担軽減にもつながり、経営者にとっては重要な対策となります。ただし、不動産の選定や資金計画には慎重な判断が求められます。

購入する不動産の種類や立地、借入金の条件などが長期的な資産運用に大きな影響を与えるため、十分な検討が必要です。

次に、不動産購入による純資産圧縮の仕組みとその効果についてさらに詳しく解説していきます。

不動産購入で純資産を圧縮する仕組み

企業が不動産を購入する際、自己資金借入を組み合わせることで、資産と同時に負債も増加します。

さらに、建物部分は減価償却が進むため、毎年帳簿価額が減少し、純資産が圧縮されます。

このように、純資産価額方式で評価される自社株の評価額を引き下げることが可能となり、相続税対策として大きな効果を発揮します。

しかし、借入金が増えることでキャッシュフローへの影響や返済負担が発生するため、次に借入金による資産圧縮の効果とその注意点について解説します。

借入金による資産圧縮の効果

企業が借入を行うと、資産と同時に負債も増加し、結果、純資産が圧縮されます。
純資産価額方式では、評価対象となるのは純資産=総資産-負債のため、借入によって貸借対照表の純資産が減少すれば、自社株評価額も下がります。
この仕組みを活用することで、相続税贈与税の負担を軽減することが可能になります。
ただし、借入による資産圧縮にはキャッシュフローへの影響返済負担が伴うため、次にその注意点についても考慮する必要があります。

キャッシュフローへの影響と注意点

不動産購入や借入による自社株対策は、評価額の引き下げに有効ですが、キャッシュフローへの影響にも注意が必要です。
借入金の返済や不動産の維持管理費が継続的に発生するため、資金繰りを圧迫するリスクがあります。
短期的な節税効果だけでなく、長期的な資金計画や事業の安定性を踏まえた判断が重要です。
借入による資金負担を懸念する経営者には、不動産小口化商品への投資を検討するのも一つの選択肢です。
これらの対策については、実際に不動産を活用した自社株対策のシナリオを通して、どのように活用できるかを解説していきます。

実例で解説!不動産を使った自社株対策のシナリオ

ここでは、不動産を活用して自社株の相続税評価額を引き下げた実例をもとに、具体的な対策の流れとその効果を詳しく解説していきます。
特に、純資産価額方式による評価圧縮を目的とした不動産戦略では、法人名義による不動産購入借入の活用が重要なカギを握ります。

本章では、こうした不動産を活かした自社株評価対策の仕組みを、シミュレーション形式でわかりやすく紹介します。
具体的には、
【ケース1】法人名義での不動産取得による評価圧縮、
【ケース2】資産管理会社(ホールディングス)を活用したスキーム
【ケース3】親族間での不動産賃貸借を活用した節税方法
といった3つのパターンをご紹介し、それぞれの活用法と注意点を整理します。

次項より、これらのケースごとに解説を進めていきます。

【ケース1】不動産を法人名義で購入した場合

法人が不動産を取得する際には、物件価格に応じた借入金を同時に計上するケースが多くなります。これにより、資産と同時に負債も増加するため、貸借対照表上の純資産額が圧縮されるという仕組みが生まれます。

特に、自社株が「純資産価額方式」で評価される企業にとっては、この純資産の圧縮が自社株の評価額引き下げに直結します。結果として、相続税や贈与税の負担を抑える効果が期待できるのです。

加えて、不動産の建物部分は減価償却が可能であり、年々その帳簿上の価値が下がっていきます。この減価償却による資産価額の逓減も、中長期的な自社株評価の抑制に貢献する要素となります。

このように、法人による不動産購入は、節税や事業承継を見据えた有効な手段として、多くの中小企業経営者に活用されています。

【ケース2】資産管理法人を通じたスキーム

このように、資産管理法人の活用による自社株評価対策は、法人設立のコストや管理の手間はあるものの、中長期的に見て大きな節税効果や承継の柔軟性をもたらします。

ただし、資産管理法人を新たに設立するのが難しい、あるいは時間的な制約があるという場合には、よりシンプルな方法として“親族間での不動産賃貸借”を活用する節税スキームも存在します。

次は、親族間での不動産賃貸借を活用した節税について、わかりやすく解説していきます。

【ケース3】親族間での不動産賃貸借を活用した節税

親族が保有する不動産を法人に貸すことで、法人は賃料を経費計上でき、利益圧縮によって自社株の評価額を下げることが可能です。

一方で、親族には賃料収入が発生しますが、適正な家賃設定と契約内容を整えることで、節税と資産分散の両立が期待できます。

ただし、税務リスクを避けるためにも、事前に専門家へ相談することが重要です。

不動産を活用する際の注意点とリスク

不動産を活用した自社株評価対策は、相続税・贈与税の節税に効果的な手法の一つですが、実行にあたっては慎重な検討が欠かせません。

導入次第では評価額の圧縮に成功する一方で、資金繰りへの悪影響や思わぬ税務リスクにつながる恐れもあります。
特に、不動産の流動性の低さや市場変動リスク、借入による財務負担、さらには税務調査での否認リスクなど、事前に見落とせない要素が多く存在します。

これから、不動産を使った株価対策に潜むリスクのうち、まずは資産の流動性と投資リスクという2つの視点から注意点を整理していきます。

資産の流動性と投資リスク

不動産は、自社株対策として有効である一方、現金や上場株式と比べて「流動性が低い」資産です。
そのため、急な納税資金や運転資金が必要になった場合に、すぐに換金できないリスクが生じます。

加えて、不動産価格は景気や地域の市場動向に大きく左右されるため、想定していた評価減が実現しないケースもあります。

こうした不確実性を前提に、中長期的な視野での保有と慎重な物件選定が不可欠です。

次に、不動産購入に伴う「借入の返済リスク」と「財務の健全性」への影響についても見ていきましょう。

借入の返済リスクと財務健全性

不動産を活用した自社株対策では、銀行などからの借入を併用するケースが一般的ですが、この借入金が企業のキャッシュフローに大きな影響を及ぼすリスクも忘れてはなりません。

借入金の返済は定期的かつ確実に資金流出を伴うため、業績が悪化した際や金利が上昇した局面では、財務の健全性を損なう恐れがあります。

また、金融機関との信用関係にも影響を与える可能性があるため、返済計画や資金繰りを見越した導入が不可欠です。

短期的な自社株評価の引き下げメリットだけでなく、長期的な財務安定性とのバランスを取った戦略設計が求められます。

次は、税務調査で否認されないためのポイントについて解説します。

税務調査で否認されないためのポイント

不動産を活用した自社株対策は、自社株評価の引き下げや相続税対策に有効ですが、注意点も多くあります。

流動性リスクや市場変動による価格変動、借入による財務悪化、キャッシュフロー圧迫の可能性に加え、税務否認を避けるには契約書類や取引の実態が重要です。

効果を最大化するには、各リスクを把握しつつ、事業目的と整合した形での導入が欠かせません。

次に、成功へ導くための「専門家との連携」の重要性について解説します。

成功へ導くための「専門家との連携」の重要性

自社株対策は、相続税や事業承継における節税対策として有効ですが、実行には高度な専門知識が求められます。
評価額の引き下げや資産運用は慎重な設計が必要であり、税理士や弁護士、FPなどの専門家と連携することで、リスクを抑えつつ最適なスキーム構築が可能となります。
次に、自社株対策を支える専門家の具体的な役割について解説します。

税理士・司法書士・FPの役割

自社株対策を成功させるには、税理士・司法書士・FPといった専門家の連携が欠かせません。
税理士は株価評価や相続税の試算、税務上の適正な判断を行い、司法書士は法人登記や不動産の権利関係の整理を担当します。
FPは資産全体の設計や将来の資金計画を支援し、対策を総合的にサポートします。
次は、こうした体制のもとで重要となる「定期的な株価評価の見直し」について解説します。

定期的な株価評価の見直し

自社株の評価額は、業績や資産構成の変化に応じて常に変動します。
不動産の購入や借入、利益の増減などがあった際は、株価評価の見直しが不可欠で、放置した場合は予期せぬ相続税の増加につながる可能性もあります。
定期的に株価を再評価することで、対策の有効性を確認し、早期に軌道修正が可能です。
こうした継続的なチェックは、後継者と将来の承継計画を共有するうえでも重要な基盤となります。

後継者と共有すべき承継計画

事業承継をスムーズに進めるためには、後継者との情報共有が不可欠です。
株式の移転タイミングや承継の方法、経営方針や財務状況を事前に明示することで、後継者は将来の経営をより具体的にイメージできます。
計画的なコミュニケーションと信頼関係の構築が、事業承継の成功を左右します。
そのうえで、資産の活用方法も含めた戦略的な準備を行えば、円滑な承継に一歩近づけるでしょう。

不動産を味方につけた自社株対策で、円滑な事業承継を実現しよう

事業承継を成功させるには、後継者と株式移転や経営方針、財務状況を早期に共有することが重要です。
明確な情報開示により、後継者は将来像を描きやすくなり、承継後の混乱も防げます。
信頼関係と戦略的な準備が、円滑な承継への鍵となります。

MBA・FPオフィスALIVEでは、経営者様一人ひとりに合わせた自社株対策不動産活用のアドバイスを提供しています。

不動産に関しては区分所有オフィスで有名なボルテックスさんとも提携しており、その他住宅系の投資用不動産販売会社とも複数社提携しております。

税務・財務・事業承継に精通したFPが、円滑な承継と資産防衛の両立を全力でサポートいたします。

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