CRE戦略とは?企業価値を高める不動産活用のポイントと成功事例
MBA・FPオフィスALIVE代表の國弘泰治です。
不動産というと「資産」というイメージが強いかもしれませんが、企業が保有する不動産は「経営資源」として戦略的に活用できることをご存じでしょうか?
これを「CRE戦略(Corporate Real Estate戦略)」と呼び、遊休地の再活用、老朽施設の見直し、セール&リースバックによる資金確保など、企業価値を高める手段として中小企業にも注目されています。
本記事では、CRE戦略の意味や活用方法、導入のポイント、成功事例までをわかりやすく解説します。不動産を眠らせておく時代はもう終わりです。
目次
CRE戦略とは何か?
企業価値を高める手段として注目されるのがCRE戦略(Corporate Real Estate戦略)です。
CRE戦略とは何か? それは、企業が保有する不動産を「経営資源」として戦略的に活用し、経営効率や資産価値の向上を図る手法です。
遊休地の再活用や移転によるコスト削減など、実践的な取り組みが求められます。
CRE戦略の基本定義と目的
CRE戦略の基本は、企業が保有する不動産を経営戦略の一環として最適に管理・活用することです。
その目的は、遊休資産の有効活用や財務体質の改善、経営効率の向上を通じて企業価値を最大化することにあります。
不動産を「眠った資産」でなく、「動かす資源」と捉える視点が重要です。
ここからは、不動産を「所有」から「活用」へと転換する考え方を解説します。
不動産を「所有」から「活用」へ
CRE戦略では、企業が保有する不動産を「所有」から「活用」へとシフトすることが重要です。
この転換により、資産の有効活用や収益の創出、さらには節税対策などといった多くのメリットが期待できます。
こうした背景から、CRE戦略は経営効率や財務改善、事業承継対策の観点からも注目されているのです。
CRE戦略が注目される背景(経営効率・資産圧縮・事業承継 など)
CRE戦略が注目される背景には、経営効率の向上や資産圧縮による企業価値の最大化、事業承継の円滑化といったいくつかの要因があります。
特に中小企業における事業承継の難しさや、安定したキャッシュフローの確保が重要視される中で、CRE戦略を積極的に取り入れる企業が増加しています。
次に、CRE戦略を実行するための具体的な手法と考え方について詳しく見ていきましょう。
CRE戦略の主な手法と考え方
CRE戦略の基本的な考え方は、企業が保有する不動産を経営戦略の一部と位置づけ、企業価値を高めるために活用する点にあります。
具体的には、不動産の効率的な運用、コスト削減、リスク分散、収益の向上といった効果が期待されます。
実際の取り組みとしては、余剰不動産の売却や遊休資産の再活用、働き方改革に応じたスペース最適化などが代表的です。
こうした戦略的活用を進めるには、まず不動産資産の可視化と現状分析が不可欠となります。
不動産の可視化と現状分析(資産棚卸)
CRE戦略を実行する第一歩は、企業が保有する不動産の「可視化」と「現状分析(資産棚卸)」です。
遊休不動産や老朽物件、収益性の低い物件を洗い出し、資産の状況を正確に把握することで、最適な活用方法が見えてきます。
このプロセスを通じて、不動産の潜在価値や課題を明確化し、戦略的な意思決定につなげることが可能になります。
次に、具体的な活用手法として注目される「売却」と「賃貸」について解説します。
自社利用 vs 賃貸 vs 売却:最適な選択は?
不動産の現状把握を終えたら、次はその資産をどう活かすかを考えるフェーズに入ります。
たとえば、収益性が見込めない物件は、思い切って売却することで資金を回収したり、賃貸物件として外部に貸し出すことで定期的な収入源を得るといった方法が考えられます。
中でも、セール&リースバックは、不動産を売却して資金化しつつ、引き続き自社で使用できる仕組みとして注目されています。
こうした判断を進めるには、企業の財務状況や将来の事業計画との整合性を見極める必要があります。次は、こうした活用を行う際に留意すべきリスクについて見ていきましょう。
Sale & Leaseback(セール・アンド・リースバック)の活用
不動産を戦略的に活用する上では、CRE戦略特有のリスクにも目を向ける必要があります。
たとえば、資産売却による一時的なキャッシュ獲得が将来的な収益機会を失う要因になるケースや、市況変動による賃料収入の不安定化などが挙げられます。
不動産の流動化や運用方法を選ぶ際は、財務・法務の専門的な視点も取り入れた慎重な判断が求められます。
では最後に、CRE戦略の成功事例を見ていきましょう。
CRE戦略と税務面の関係(譲渡益課税、固定資産税など)
実際にCRE戦略を取り入れて企業価値を高めた事例は少なくありません。
たとえば、老朽化した自社ビルを売却し、賃貸オフィスへの移転とセール&リースバックを組み合わせることで資金を調達しつつ業務効率を改善した中小企業があります。
このように、不動産の柔軟な活用が財務改善や経営改革の起点となるケースも多く、CRE戦略の有効性が実証されています。
企業が持つ不動産を見直し、経営資源として最大限に活かすCRE戦略は、経営改善や将来の成長に直結する有効な手段です。
特に中小企業にとっては、資産の最適化が財務体質の強化や事業承継の円滑化にもつながります。
自社に合った活用方法を見極めるためにも、まずは現状分析から始めてみてはいかがでしょうか。
不動産の資産価値を高めるための施策
保有する不動産の価値を維持・向上させるには、計画的な修繕やリノベーションの実施、用途変更による収益性の改善といった取り組みが重要です。
また、立地や周辺環境を考慮しながら、より高付加価値な活用方法へ転換することで、資産全体の評価も高まります。
こうした施策は、中長期的な企業価値向上とCRE戦略の成果最大化にもつながります。
リノベーション・コンバージョンによる再活用
不動産活用を成功させるためには、社内体制の整備が欠かせません。
まず、専門的な知識を持った担当者を設置し、資産管理や契約更新、法規制に対応できる体制を構築することが求められます。
さらに、経営陣と連携し、不動産の管理方針や戦略的目標を共有することで、より効果的に不動産を活用できるようになります。
こうした体制作りが、CRE戦略の成功に直結します。
立地や用途を見直した再配置(Relocation戦略)
CRE戦略の実行には、外部専門家のサポートを活用することが効果的です。
不動産の売買や賃貸契約、税務対策に関する知識は非常に専門的であるため、不動産コンサルタントや税理士などの専門家に相談することが重要です。
専門家の知見を取り入れることで、最適な戦略を立案し、リスクを最小限に抑えつつ効率的な不動産運用を実現できます。
ESG・SDGsと連動した不動産価値の向上
CRE戦略の評価と改善は、定期的なモニタリングとデータ分析を通じて行われます。
不動産の運用状況や市場動向を継続的に評価し、運用方針を柔軟に見直すことが重要です。
たとえば、予想以上に収益が上がらない場合や、市場が変動した場合には、戦略を改善することでリスクを最小限に抑え、効率的な運用を実現できます。
これにより、CRE戦略は常に進化し、企業の資産価値向上に貢献します。
中小企業におけるCRE戦略の実践例
中小企業でもCRE戦略を実践することで、資産の有効活用と経営改善を実現する例が増えています。
たとえば、老朽化した本社ビルや遊休地を売却・再活用し、収益を生む形で資産を再構築した企業もあります。
こうした取り組みは、単なるコスト削減にとどまらず、事業の再成長や財務基盤の強化にも直結します。
特に近年では、工場跡地を収益物件化する動きが注目を集めています。
工場跡地の活用 → 収益物件化
使われなくなった工場跡地を有効活用し、収益物件へと転換する動きが進んでいます。
たとえば、物流施設や賃貸用オフィス、商業テナントとして再開発することで、安定した家賃収入を確保する事例もあります。
このような活用は、企業の不動産を「眠らせずに稼がせる」CRE戦略の好例であり、特に中小企業にとっても実行可能な選択肢となっています。
企業の不動産は、単なる資産ではなく経営資源として戦略的に活用すべき時代です。
特に中小企業においても、CRE戦略を取り入れることで経営効率の改善や新たな収益源の創出が可能になります。
まずは自社の不動産の現状を正しく把握し、活用の可能性を専門家とともに検討することが、最初の一歩となります。
本社機能の移転 → コスト圧縮+新規収益
本社機能を郊外や賃貸物件へ移転することで、固定資産税や維持費の削減につながるほか、旧本社ビルを賃貸化・売却することで新たな収益源を確保する動きが広がっています。
このように、CRE戦略の一環として本社機能を見直すことで、経費削減と資産の有効活用を同時に実現できます。
事業承継時の不動産整理と相続対策
事業承継の際には、保有不動産の整理や相続対策が重要なテーマとなります。
CRE戦略を取り入れて不動産を収益化・現金化することで、相続税対策や資産分割の負担を軽減できます。
ただし、売却や活用にはリスクも伴うため、戦略を進める際には注意すべきポイントを事前に押さえることが不可欠です。
CRE戦略を進める際の注意点
CRE戦略を実行する際には、資産の適正評価や将来の事業計画との整合性が欠かせません。
また、不動産売却や賃貸化には税務や法務のリスクも伴うため、専門家のアドバイスを受けながら進めることが重要です。
誤った判断は企業価値の毀損にもつながるため、慎重な検討が必要です。
不動産評価の正確性と専門家の活用
CRE戦略を進める上では、不動産の現状や価値を正しく把握することが前提となります。
売却や賃貸、建替えといった判断は、税務・法務リスクにも直結するため、慎重な対応が不可欠です。
そのためには、正確な資産評価と信頼できる専門家のサポートが成功の鍵となります。
長期視点での資金繰りとリスク管理
CRE戦略を成功させるには、不動産の正確な評価が不可欠です。
市場価値や収益性を見誤れば、戦略全体に大きな影響を及ぼす可能性があります。
そのため、不動産鑑定士や税理士、FPなどの専門家を活用し、客観的な視点で現状を分析することが重要です。
最適な意思決定には、専門的知見が欠かせません。
社内関係者との合意形成と組織戦略への統合
CRE戦略を的確に実行するには、保有不動産の評価を客観的かつ正確に行うことが重要です。
市場価格や収益性を把握することで、将来的な活用方法の選択肢が広がります。
そのためには、不動産鑑定士や税理士など専門家の協力が不可欠です。
そしてその情報をもとに、社内での合意形成と組織全体での戦略的な意思決定へとつなげることが求められます。
まとめ:CRE戦略は「経営戦略の一部」である
CRE戦略は、企業が保有する不動産を経営資源として最大限に活用し、企業価値を高めるための重要な施策です。
遊休地や老朽化施設を「眠った資産」として放置するのではなく、収益化やコスト削減、事業承継など多面的に活用することが、これからの時代に求められています。
まずは不動産の現状把握からスタートし、信頼できる専門家と連携して戦略的に活かすことが、CRE戦略成功への第一歩です。
当オフィス「MBA・FPオフィスALIVE」では、不動産・経営・相続の観点から、実践的なCRE戦略のご提案を行っております。
👉 「企業不動産を経営戦略に活かしたい」とお考えの経営者様は、ぜひ一度ご相談ください。
将来を見据えた不動産活用を、共に設計していきましょう。



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