開業して僅かなクリニックでも可能??医療ファクタリングとはMBA取得のFPが解説
MBA・FPオフィスALIVE代表の國弘泰治です。
最近はCFO代行もしくは社外CFOの分野に参入を考えています。
今回は医療経営とファイナンシャルプランナーそしてMBAといった私が得た知識を総動員した記事として医療ファクタリングについてお話していきます。
まず、結論から言うとファクタリングの仕組み上、売掛債権がないと厳しいのが現状です。
まず余裕があるのであれば、自己資金と日本政策金融公庫などの金融機関からの融資から始めるのが良いでしょう。
今回説明するポイントとしては以下のようになります。
- そもそもファクタリングとは
- 融資との違い
- ファクタリングの種類はどのようなものがある?
- 医療ファクタリングってどのようなもの?
この4点について説明していきます。
目次
そもそもファクタリングとは何か??
ファクタリングは資金調達方法の1つです。
ファクタリングには買取型と保証型、一括、国際そして医療の5つがあり、そこで今回は病院や診療所(クリニック)といった医療機関の資金調達方法として医療ファクタリングについて説明していきます。
まず最初にファクタリングと融資の違いについて説明していきます。
ファクタリングと融資の違い
経営者の資金調達となると融資が一般的と言えるでしょう。
ファクタリングについては融資と比較すると知名度が低いため候補にない点が挙げられます。
融資とファクタリングの違いは以下の通りです。
融資 | ファクタリング |
金融機関からお金を借りる方法 | 売掛債権を売却する方法 |
審査対象が自社 | 審査対象が売掛先 |
目的に応じて借入期間が異なる | 売掛債権での売却なので借入ではない |
貸借対照表では負債になる | 貸借対照表では資産(現金化) |
融資とファクタリングの大きな違いはお金を借りるか借りないかの違いです。
ただし、共通点としては審査があります。
融資であれば自社が審査対象ですが、ファクタリングは売掛先が審査対象です。
ただ融資であれば、すぐ追加の資金調達としては向かないのですが、ファクタリングは売掛債権が担保となるので、売掛債権があれば追加の資金調達が可能です。
ファクタリングについては5つありますが、その中でも医療ファクタリングについて挙げていきます。
医療ファクタリングとは何か??
診療報酬債権などを現金化して資金調達する方法で、診療報酬以外にも特別養護老人ホームやデイサービスセンターなどを対象とした介護報酬ファクタリングそして調剤薬局といった調剤報酬ファクタリングがあり、取引としては2者間取引と3者間取引がございますが、医療ファクタリングは基本3者間取引と言われています。
次に医療ファクタリングの難易度について説明していきます。
医療ファクタリングの難易度
病院やクリニックの場合は社会保険診療基金と国民健康保険団体連合会に対して、診療報酬を請求しますが、入金前に資金が必要な場合は早めの資金調達が可能です。
医療以外のファクタリングと比較すると社会保険診療基金と国民健康保険団体連合会といった国の機関が審査対象なので難易度が低くなります。
突然医療機器を購入するとかになった場合でも、ファクタリングは追加の資金調達には向いています。
次に医療ファクタリング以外の資金調達方法について説明していきます。
医療施設の融資やファクタリング以外の資金調達法
前の記事では融資とファクタリングついて説明しましたが、今度はABLってどういうものなのかについて説明していきます。
ABLとは何のことなのか?
ABLはAssetBasedLendingの略で、動産債権担保融資のことで、売掛債権を担保にして金融機関から借り入れする方式です。
通常、銀行などの金融機関から融資を受ける場合は信用がないと融資を受けることができません。
融資の場合、債務者自身に担保があっても赤字や債務超過があれば借入は出来ません。ただ担保融資というものもありますが、そういうものは不動産を担保にするものがほとんどです。
そこで不動産を担保にしない借入方法がございます。
それはABLです。
ABLは不動産ではなく動産が担保になります。
そこで担保にできる動産については商品在庫や工作機械そして建設機械などが担保にでき、動産以外にも債権も担保に融資ができ、対象は一般売掛債権や運送料債権そして診療報酬債権や介護報酬債権が該当します。
似ているところはありますが、ABLは動産や債権を担保にして借り入れる方法なので基本は借り入れです。
まとめ
医療ファクタリングと融資そしてABLについて説明し、比較をしましたが審査はどちらもございますが、医療ファクタリングは借入でなく売掛債権である診療報酬や介護報酬そして調剤報酬といった債権を売却して資産化できるため貸借対照表にも資産の部に移すことが可能です。
どっちがいいのかと言われたら、私としてはどっちがいいかと言い難いです。
最初は融資で行って、緊急の時にファクタリングを活用するのも良いでしょう。
借入の場合、貸借対照表では負債となりますのでその点は注意が必要です。
執筆や監修等の依頼がございましたら以下のアドレスまでお送りください。
分野については消費者金融系や保険分野、金融資産運用、不動産投資、マイホーム、相続・事業承継、税金そして法人向けの資金調達分野やマイナーな資産運用そして節税対策も対応可能です。
この記事へのコメントはありません。